土田会計事務所 : 耳よりミニ情報 : ミニ情報バックナンバー : 会社法改正
会社法改正(平成18年施行)について
会社法が平成17年の通常国会で大幅に改正され、平成18年5月より施行される見込みとなりました。(当初は平成18年4月の予定でした)(2005年10月)
関連ページ: 最低資本金の撤廃、有限会社制度の廃止、新会社法による株式会社の設立
改正のおもなポイント
- 株式会社と有限会社の一本化
- 最低資本金制度の廃止
- 取締役・取締役会・監査役等の役員の設置が柔軟化及び会計参与(新設)の導入
- 会社設立登記の手続きの簡易化
改正後のおもな経過処置
- 既存の有限会社は特例有限会社として存続します。
- 既存の大多数の中小企業では、新会社法の施行により登記の申請義務がないよう、可能な限り、登記官による職権の登記(移行作業等)がされる予定です。しかし、会社に特殊な定め(利益をもってする株式の消却の定め等)がなされている場合につきましては、施行日から6か月以内に登記をする必要が生じます。
- 新会社法が施行されると新たに有限会社の設立ができません。施行日に設立手続中の有限会社は、施行後に設立の登記を申請できません。日程に注意して下さい。新設合併、新設分割、組織変更等について、新設会社が有限会社となる場合も同様です。
新会社法施行後に有限会社を株式会社に変更
特例有限会社の定款を変更して、商号中に株式会社という文字を用いる変更が可能になります。登記手続きが必要となり、特例有限会社は解散の登記、商号変更後の株式会社については設立の登記をします。
『株式会社に組織変更するメリット』
イメージ・信用力があがる。しかし、将来的に株式会社が普通になり、最低資本金制度もなくなる訳ですから、株式会社だから大きいというイメージはなくなると考えられます。
『株式会社に組織変更することのデメリット』
1. 役員変更の手続きが必要となる。
2. 決算公告が必要になる。
3. 登記費用・名刺等の作成費用の負担。
*一度株式会社に移行すると、有限会社には戻れませんので、注意して下さい。
株式の譲渡制限会社の役員の任期が10年に延長できます
現行は、株式会社の取締役任期は原則2年、監査役は4年ですが、今回の改正で株式会社のうち株式に譲渡制限を設ける会社(非公開会社)につきましては、役員の任期が10年まで延長できます。登記負担が減りますが、定款の変更が必要となります。
株式会社の設立が簡単になりました
最低資本金規制のため、株式会社で1000万円、有限会社でも300万円の資本金が必要でしたが、今回の改正で1円の資本金でも会社を設立できることになりました。また類似商号の規制の廃止、残高証明書による資本金の証明、さらに取締役を1人だけ置く株式会社も認められますので、よりスピーディに設立登記が可能となります。
*類似商号の規制が廃止になっても、同一の商号・本店(目的の同一性は問わない)の登記はできません。また、不正な競争目的による類似の商号による登記も、後日訴訟になる恐れがあります。
中小企業が選択できる会社の機関設計
| 機関設計のパターン | 株式譲渡制限会社 | 左以外の会社 | 備考 | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 取締役 | ○ | × | 現行の有限会社と同じ |
| 2 | 取締役+監査役 | ○ | × | |
| 3 | 取締役+監査役+会計監査人 | ○ | × | 新しい株式会社に認められている機関設計 |
| 4 | 取締役会+会計参与 | ○ | × | |
| 5 | 取締役+監査役 | ○ | × | 現行の株式会社と同じ |
| 6 | 取締役+監査役会 | ○ | ○ | 新しい株式会社に認められている機関設計 |
| 7 | 取締役会+監査役+会計監査人 | ○ | ○ | |
| 8 | 取締役会+監査役会+会計監査人 | ○ | ○ | 大会社、みなし |
| 9 | 取締役会+3委員会等+会計監査人 | ○ | ○ | 大会社で認められている機関設計の適用 |
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 資本金 | 【株】1000万円以上 【有】300万円以上 |
制限なし |
| 配当規制 | 純資産の額マイナス資本等の額を限度 | 純資産の額が300万円未満の場合は配当不可 |
| 会社の機関設計 | 【株】 株主総会+取締役会+監査役 【有】 社員総会+取締役会 社員総会+取締役 社員総会+取締役+監査役 |
【必須機関】 株主総会+取締役 その他の機関は、法令・定款により任意に設置 |
| 株主総会で決定できる事項 | 【株】 法令・定款で定められた事項 【有】 すべての事項 |
取締役会を設置するか否かで区別 設置をしない会社は株主総会の権限を強め、すべての事項を決定できる。 |
| 株主総会開催場所 | 原則:本店所在地またはその隣接地 | 規制を廃止して会社の任意 |
| 取締役の数・任期 | 【株】3人以上、任期2年 【有】1人以上、任期なし |
原則 3人以上、任期2年 例外 株式譲渡制限会社 1人以上、任期最長10年 |
| 監査役の数と任期 | 【株】1以上、任期4年 【有】設置義務なし(任意設置可) |
原則 1人以上、任期4年 例外 株式譲渡制限会社 設置義務なし(任意設置可) |
| 監査役の権限 | 【株】 小会社:会計監査 以 外:業務監査・会計監査 【有】 会計監査 |
原則 業務監査・会計監査 例外 株式譲渡制限会社 定款で会計監査のみに限定することが可能 |
| 会計参与 | (新設規定) 公認会計士や税理士を会社の機関に組み入れて、決算書などの計算書類を取締役と共同で作成し、中小企業の決算書の信頼性を高める目的で導入されました。 |
資格:公認会計士、監査法人、税理士、税理士法人 職務:取締役、執行役と共同して計算書類を作成・保存、株主総会での説明 登記:設置の旨、会計参与の氏名 |
| 休眠会社の整理 | 整理対象期間・・・5年 | 整理対象期間・・・12年 |
2005年10月
ミニ情報バックナンバー
【 2006年ミニ情報 】
- 所得税の定率減税が減少により、増税へ・・・
- 事前届け出により役員のボーナス(上乗せ支給)が可能に!
- 退職後の健康保険はどうなるの?
- 平成18年度税制改正のポイント、ここが変わる!
- 新会社法による株式会社の設立と、関連事項の解説
(1)株式会社を設立するには?(流れとポイント)
(2)創業支援を行っている金融機関
(3)有限会社を株式会社に変えるには
(4)少人数私募債について
(5)少人数私募債発行フローチャート(エクセルファイル) - 青色申告特別控除額が65万円に改正
【 2005年ミニ情報 】
- 簡易課税、今なら間に合う
- 年末調整、今年からの変更・改正点
- 会社法改正(平成18年)
- 厚生年金保険料率引き上げ・働きながらもらう年金の受給
- 就業規則 Q&A
- 消費税の課税制度
- 遺言書について
- 最低資本金の撤廃、有限会社制度の廃止
【 2004年ミニ情報 】
- 配偶者控除と配偶者特別控除
- 慰安旅行に関する取扱い
- キャッシュ・フロー計算書の概略
- 経営分析の概略(2)
- 経営分析の概略(1)
- 税制改正 (平成16年度) のポイント
- 新入社員が入社したときの会社の手続きについて
- 相続について
- 税制改正大綱(平成16年度)
- 所得税の確定申告
- 六義園長寿庵の山崎さんのお話
【 2003年ミニ情報 】