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遺言書について
遺言を作成することがなぜ必要なのでしょうか。それは法律で定められた相続分では,各家庭の事情を反映することが不十分だからです。また、遺言がない場合には、法律で定められた全ての相続人から権利の主張がなされることもあります。法律は遺言によってそれぞれの家庭の事情に合わせた相続分を定めることを認めているので、遺言を書いて相続財産をめぐる骨肉の争いを最小限に食い止めることが必要となっています。
なお遺言を書かれる場合、遺留分のことに注意して下さい。これは残された家族に財産を最低限残す趣旨の法律で、妻と子は法定相続分の半分(親または祖父母には法定相続分の3分の1)までが認められています。(2005年6月)
遺言が特に必要な場合
- 夫婦の間に子供がいない場合
夫婦間に子供がいない場合、遺産のすべてを妻に相続させるには、遺言が必要です。遺言がなければ、法定相続人は妻と亡くなった夫の親もしくは兄弟姉妹にとなります。 - 息子の妻に財産を贈りたい場合
息子の妻は、夫の両親の遺産については、全く相続権がありません。いろいろとお世話になった息子の妻に財産をあげたい場合には遺言が必要となります。 - 先妻の子供と後妻がいる場合
遺言がない場合、子2分の1(全員)、後妻2分の1の割合で相続人となります。先妻の子供からすれば、亡父が再婚さえしていなければ、遺産は全て自分たちのものとなったので、感情的なもつれから紛争につながるケースが考えられます。 - 内縁の妻の場合
内縁の妻とは、婚姻の届出がなされていない事実上の妻で、法律上相続権はありません。遺言をすることで、内縁の妻にも財産を贈与することができます。 - 事業を特定の者に承継させたい場合
事業を特定の相続人に承継させたい場合は遺言で遺産の配分方法を決めておくことが必要です。
遺言の方式
- 自筆証書による遺言
遺言者が遺言書の全文、日付及び氏名を用紙に自書(手書き)し、押印した遺言書。 - 公正証書による遺言
遺言者が遺言の趣旨を公証人に口頭で述べて、これを公証人が公正証書として作成した遺言書。証人2人以上の立会いが必要です。 - 秘密証書による遺言
署名押印した遺言書を作成し、その証書を封筒に入れて封印し、これを公証人に提出し、公証人がその存在を公正証書作成手続によって公証した遺言書です。遺言の内容が誰にも知られないで作成することができます。証人2人以上必要です。
遺言事項
- 身分上の、例えば「Aの子は遺言者の子であるから認知します」と遺言することができます。
- 遺言者の未成年の子に対して未成年後見人(未成年後見監督人)の指定ができます。
- 遺言者を虐待し、もしくは重大な屈辱を加えた相続人(推定の相続人)を相続人から廃除することもできます。(廃除の取消しも遺言できます。)
- 法定相続分と異なった相続分を指定できます。例えば、妻及び子(1人)が相続人の場合、遺言がない場合の法定の相続分は各自2分の1ずつですが、遺言で妻3分の2、子3分の1と指定することができます。
- 特定財産を指定する遺言もできます。例えば、「不動産の全ては妻に、預貯金の全ては子に相続させる」等の趣旨の遺言です。
- 遺言者は遺言によって相続開始から5年を超えない間は遺産を分割してはならないと遺言することもできます。
- 遺言者は1人又は数人の遺言執行者を指定して、遺言の内容を忠実に実行してもらうよう遺言することができます。
- 遺言者の心境の変化に応じて、遺言の方式に従って、既に作成した遺言を取消すことができます。例えば「平成○年○月○日記載の遺言の全部(又は○○の事項)を取消す」といった内容です。
民法では法定相続分を以下のように定めています
| 順位 | 相続人 | 子(全員で) | 配偶者 | 直系尊属 | 兄弟姉妹 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 子が数人いればその頭数で分けます。 | 1 | 配偶者 子 |
2分の1 | 2分の1 | -- | -- |
| 直系尊属(親・祖父母)よりも配偶者の相続分が多い | 2 | 配偶者 直系尊属 |
-- | 3分の2 | 3分の1 | -- |
| 3 | 配偶者 兄弟姉妹 |
-- | 4分の3 | -- | 兄弟姉妹が数人いればその頭数で分けます |
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