土田会計事務所:ミニ情報
取引先が民事再生の申し立てをした場合、債権者となる皆さんはどう対応しなければならないのでしょうか。今月はこの民事再生法の内容について少々硬い話しになりますが記載してみたいと思います。民事再生法は平成12年4月1日に施行された新しい法律ですが、従来の和議法(現在廃止)の欠点を修正して誕生したのがこの法律です。施行後マイカル等の企業が利用(後日会社更生に切替)して脚光を浴び、現在も増加傾向にございます。取引先が民事再生法を利用してくるポイント(“☆”ポイントマークをつけました)もいくつかございますので、どうぞご参考にしてみてください。
(2003年8月)
【1】
民事再生法の目的は裁判所の監督のもと、取引先(以下民事再生債務者)は☆業務執行しながら、そして☆財産管理処分を継続し、債権者(以下民事再生債権者)の同意を得て、債権をカットして、☆経営再建を図ることです。つまり、民事再生法を申し立てた企業の経営者(役員)は必ずしも退任しないので、顔なじみの社長さんもそのまま継続して陣頭に立ち、またその財産も破産とは異なり、破産管財人等の代理人に保管されることはありません。(一定の期間中債務弁済の禁止を受けたり、監督委員の同意が必要となる行為がございます)
【2】
従来の和議法では破産原因をもって和議開始原因としていましたが、これでは事業の再建をはかるには遅すぎるので、民事再生法では、再生手続開始の申し立ての原因として、「債務者に☆破産の原因たる事実の生ずるおそれのあるとき」、または「☆事業の継続に著しい支障を来たすことなく弁済期にある債務を弁済することができないとき(完全に破綻はしないが、資金繰りがひっ迫している状態)」と定められています。したがいまして、☆破産の前段階の早い時期に法的に企業の再生をはかろうとすることを目的にしています。
【3】
民事再生の申し立て後、再生債権者は取引先が作成した再生計画案の賛否の判断をします。当該計画案は、最低でも破産した場合の予想配当率よりも☆高い弁済率で作成されています(民事再生法174条2項4号)。また、この計画案のなかで「☆少額債権については一括弁済」する、という内容がございましたら、再生債権者は債権をあえて一部放棄して一括弁済を受ける選択肢もございます。たとえば、再生計画案で、「10万円以下の債権は少額債権として一括弁済する」とある場合、100万円の売掛金額のうち90万円を債権放棄して、残額10万円を一括弁済してもらうことを選択することも可能です。この場合は、同案に「(例)減額率70%で5年の分割払い」となる他の条項と比較して決心することになるでしょう。
【4】
取引先に関しての民事再生申し立ての通知がきましたら、下記のことに注意して下さい。
【5】
取引先の民事再生申し立ての進捗状況に応じて、売掛金は以下の会計処理をいたします。つきましては、資料として裁判所から送付される書類の写しなどを送り合わせ頂きますようお願い申し上げます。
| 民事再生の申し立て時(再生計画認可前) | 売掛債権50%を貸倒引当金に繰入れ |
|---|---|
| 再生計画認可後5年以内に弁済されない金額 | 貸倒引当金に繰り入れ |
| 再生計画で減額(カット)された金額 | 貸倒損失に計上 |
2003年8月
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